●ちばのアーティスト Vol.14

染+絵+触
3人の作家によるコラボインスタレーション
「森家湖(shinkako)」
体感する人が作品を完成させる
駒澤菜穂子、松田圭一郎(船橋市)
藤原恭子(八王子市)


8月30日〜9月4日、船橋市民ギャラリーで開催されたグループ展「森家湖」。180名もの来場者があった会場を訪ね、3人にお話を伺った。

船橋在住、市川出身の3人のアーティストが「自然との共存」をテーマに、コラボインスタレーション展示を行った。草木染作家の駒澤菜穂子さん(39)は布で「森」を、美術作家の松田圭一郎さん(53)はイラストを描いた布で「家」を、インスタレーション作家の藤原恭子さん(38)は羊毛の玉で水の波紋を作り「湖」を表現。各自違った手法でのコラボレーションだ。

会場に作られた「森」には天井から木の実がぶら下がり、その実を摘んだ後には雨のしずくを代わりに付けるといった具合に、参加型の展示で来場者が遊びながら雨を完成させる仕掛け。「家」では、ままごとをしたりおしゃべりをしたりリラックス。また「湖」では自分で自由に波紋を変化させられるなど、実に楽しい展示形態だ。

会場では子どもも大人も裸足で遊んでいたが、実は来場者が裸足になることを主催者である3人は想定していなかった。自然に子どもが靴も靴下も脱いで遊び出したのを見てうれしく思ったとか。「裸足は心が解放されるので、作品を体感するのにはとても良い。こんなに面白くなるとは思っていなかった」と満面の笑顔の松田さん。松田さんの作品では影絵遊びが出来るが、そのシルエットには手で作る蝶や花だけではなく、全身を動かして影にしたり、走り抜けてみたりと、思いがけない絵が映し出された。

藤原さんは「見る、触るまでは私からの提示。作品に人が触れて感じて心が動いた時、私の作品は完成する」と話す。「今の子どもたちは、何もないところから何か新しいものを作り出すことがなかなか出来ない。発想力を育て、アートにつながる感性を育てたい」と話す駒澤さんは3人の子どもを育てるママだ。

「自然に向き合うことは自分と向き合うこと」と考える3人だが、今後もコラボして作品を発表していく予定だ。決して一人では作り出せない異空間、次はどんな空間を作り出してくれるか楽しみだ。

▽問い合わせTEL:090〜3915〜2365(駒澤さん)

写真
左から松田さん、駒澤さん、藤原さん
羊毛の玉"もけもけ"で思いつくままに遊ぶ
影絵を楽しむ子供たち

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