7 スポーツ障害、変形性関節症、プチ整形へのヒアルロン酸効果



7 スポーツ障害、変形性関節症、プチ整形へのヒアルロン酸効果

「SLの旅を楽しもう」のLは御存じのように移動する、旅をするのロコモーション(Locomotion)のことですが、悲しいことに、骨や関節、筋肉といった運動器の機能が衰えて、外出どころか要介護、寝たきりになってしまう危険性が高い状態をロコモティブシンドローム(運動器症候群)といいます。

その代表的な病気が変形性関節症で、なかでも膝の変形は、中高年に多いものの一つです。

変形性膝関節症の治療には、痛みをとる、筋肉を鍛える、肥満を防ぐなどがありますが、なかでもヒアルロン酸の関節内注入療法は、軟骨の破壊・変性を防ぐ作用が特徴です。即効性はないものの、長い目でみると徐々にその効果が表れてきます。そんなところから欧米では、医薬品というよりは、潤滑油性サプリメントと呼ばれたりしています。

今のところヒアルロン酸製剤の保険治療は、変形性関節症と肩関節周囲炎(五十肩)に限られていますが、スポーツ外来では、アスリートの関節、軟骨、腱などの障害に使われていて、その効果が注目されています。

一つ例をあげてみましょう。
最悪の場合、スポーツを断念せざるを得ない障害の中にアキレス腱炎があります。あらゆるスポーツに共通する走る、跳ぶでアキレス腱は重要な役割をしていて、負担も大きく、老化が比較的早く訪れる部位です。使い過ぎやいきなりのダッシュで痛めたり時に切れたりします。この厄介なアキレス腱の痛みに、ヒアルロン酸の注入療法が、かなり良い成績を上げています。 

最後に美容医療での効果ですが、あらましは第5話でお話しした、しわや組織のボリューム減少に対する注入療法です。その中で最近主流となっているのは、ヒアルロン酸単独の注入ではなく、ボツリヌス毒素(ボトックス)と組み合わせて使う療法で、時に劇的な効果がみられます。

この療法には長期的な効果はありませんが、メスを使うフェイスリフトなどの手術療法と比べると、費用や時間が大いに節約できることから、わが国でも急速に普及しています。最近では、通訳つき韓流プチ整形といった一種の社会現象もみられるようですが、さまざまなトラブルも指摘されており、病院や治療方法の選び方には慎重を期すべきです。 

こうした問題とは別に、最近驚くべきことが起きています。それは、海外製品のヒアルロン酸製剤をインターネットを通して輸入業者から購入し、自分でそれを注射してひどい副作用をおこしたというものです。

インターネットの出現した現代、クリック一つで世界中から望むものが手に入ります。しかしその反面、重大な危険に思わず出会う羽目にもなりかねないのが、特に健康関連商品です。アンチエイジングの情報はこの世の中に溢れています。しかし自分への健康投資には、情報を正しく整理できる知識が是非とも必要です。 

次回は「運動するとホルモンはどう動くのか」です。

 「東葛まいにち」2011年12月14日号掲載



                                                  

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カテゴリ: 心とからだの年齢を若くする抗加齢医療

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