8 運動するとホルモンはどう動くか-成長ホルモンを減らさないコツ-



8 運動するとホルモンはどう動くか-成長ホルモンを減らさないコツ-

規則的に運動(スポーツ)をしていると、次のような効果が期待できます。

● 生活習慣病の高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満を防ぎ、動脈硬化を改善する。

● 骨や筋肉を強化して骨粗鬆症から身を守るとともに、姿勢を安定させ て、転倒による骨折の危険を減らす。

● うつ病、不安神経症の改善、ストレス要因の軽減など情緒安定効果。

●免疫力を高めて健康寿命を延ばす。

こうした効果にはホルモンが大きな役割を果たしています。中でも注目は生長ホルモン(以下GH)です。
文字通り子どもを大人にするこのホルモンは、思春期に分泌がピークで、30歳過ぎから10年ごとに約15%減っていくといわれています。

年をとってGHが不足すると、骨粗鬆症、心臓や血管の病気、筋肉の衰え、皮膚のしわと体脂肪の増加といった加齢現象が、ひときわ目立つようになります。

近年アメリカを中心に、抗加齢の目的でホルモン療法が広く行われるようになり、わが国も、遅ればせながらその方向をたどっています。その中心がGHです。この治療で老化の改善が期待できるのですが、その反面、よほど注意深く治療しないと、体中の痛みやむくみ、前立腺癌、大腸癌、乳癌など、重大なリスクも高まります。

このような危険を犯すことなくGHの分泌をうながすのがスポーツ活動です。運動するようになってから「カゼをひかなくなった」「からだが丈夫になった」など、スポーツのプラス効果がよく聞かれます。しかしスポーツも又諸刃の剣です。

実はスポーツは体にとって大きなストレスなのです。ストレスに直面すると、ストレスホルモンと呼ばれる4種類のホルモン(GH、アドレナリン、グルカゴン、副腎皮質ホルモン)の分泌が高まり、血圧、心拍数、血糖値が上昇し緊急事態に備えます。一般にいわれている「アドレナリン全開!」とはこのことです。

年齢、体力に応じた中等度の運動を続けていれば、これらのホルモンがうまく働いて、免疫機能を向上させます。反対に激しく、過度な運動をすると、副腎皮質ホルモンが増えて、免疫の主役のリンパ球を殺し、体の防御反応を低下させ、時には突然死という、ゆゆしき事態にもなりかねません。

スポーツの語源は、心の重い、嫌な気分を晴らす行為で、気晴らし、楽しみ、遊ぶを意味しています。このようにホルモン治療もスポーツもやり方次第で毒にも薬にもなります。前にもお話したように、万人に共通の単一健康法などないのです。気持ちの良い汗をかきながらスポーツをして、自分に合った健康のヒントを探しましょう。

次回は「運動するとホルモンはどう動くか―女性も男性ホルモンを分泌する―」です。

 「東葛まいにち」2012年1月4日号掲載



                                                  

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カテゴリ: 心とからだの年齢を若くする抗加齢医療

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