9 運動するとホルモンはどう動くか-女性も男性ホルモンを分泌する



9 運動するとホルモンはどう動くか-女性も男性ホルモンを分泌する

トレーニングで筋肉が太くたくましくなることは良く知られています。これにはアミノ酸が深くかかわっているのですが、最近の研究で、アンドロゲンという男性ホルモンの働きも注目を集めています。

アンドロゲンは副腎皮質ホルモン(ステロイド)の一種で、主に睾丸から分泌されるテストステロンと、副腎皮質からのデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)などのホルモンの総称です。

加齢とともにテストステロンの分泌が減ると、性機能の衰え、筋肉・認知力・意欲の低下、それに体脂肪の増加など「男性更年期」とも呼ばれるサインが目立つようになります。

このような症状を男性ホルモン補充療法で改善しようとするアンチエイジング医療が、欧米を中心に広まっています。しかし、この治療は排尿障害の悪化や前立腺癌の危険性が高いので、現在のところ慎重であるべきです。

ここで面白いことに、血中のテストステロンは、男性に比べ1/20程度ですが女性にもみられることです。「女性なのになぜか?」というと、その大部分が前述のDHEAから体内で合成されるからなのです。

DHEAは男性ホルモンと同じ構造なので、副腎アンドロゲンとも呼ばれています。体内のDHEAは20歳代がピークで、加齢とともに直線的に低下します。このホルモンの不足は、心臓病、糖尿病、高コレステロール血症、肥満、癌、アルツハイマー病など、最も注目されている疾患の危険きわまりない引き金となります。

発達し続ける医学、ナノテクノロジーを背景に、アンチエイジング医療の未来は大きな可能性を秘めてはいるものの、まだ充分な医学的根拠(エビデンス)が得られていないものが多く、ましてや遺伝子治療に至っては、まだまだずっと先のことでしょう。ホルモン療法のリスクを避けてアンドロゲンレベルを引き上げる手だては運動です。

最近の研究によると性ホルモンは、卵巣や睾丸など性腺だけではなく、脳や肝臓などでも作られ、分泌されていることが明らかになってきました。

そのカギを握っているのが運動(スポーツ)です。運動によって筋肉の性ホルモン合成酵素やテストステロン・DHEAの血中濃度が“男女ともに増加した”という研究報告があります。

更に手足を動かした時の刺激は脳にも伝わり、良い影響を与えます。中でも記憶や認知機能を調節する〝海馬〟の働きを活発にします。

それではスポーツをして気持ちの良い汗をかき、余分な脂肪を燃やして心と体の調子を整えましょう。

次回は「アンチエイジング医学の未来像」です。 

『東葛まいにち』2月8日号掲載



                                                  

2012年02月07日 9 運動するとホルモンはどう動くか-女性も男性ホルモンを分泌する はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: 心とからだの年齢を若くする抗加齢医療

トラックバック&コメント

まだトラックバック、コメントがありません。