胃がんの早期発見に最新の内視鏡機器『狭帯域光観察』

胃がんの早期発見に最新の内視鏡機器『狭帯域光観察』

がんの治療は、昔から言われるように早期発見早期治療が大切です。そして、早期発見により実際に治る病気になりつつあります。

そのがんが治ったかどうかの目安として、私たち専門家は、5年生存率を用います。つまり、治療後5年経過しても再発の無い場合に、いったんがんが治ったと判断するのです。私たちが扱うがんの一つである胃がんの場合には、早期発見をした場合には、5年生存率は90%以上です。すなわち、早期胃がんの場合には、90%以上の確率で治るということです。

問題は、その早期発見をいかに行っていくかということです。もちろん、胃カメラの発達によって、早期発見早期治療が格段に進歩したことは言うまでもありません。しかし、現実には、早期発見といっても相手ががんだけに、一筋縄ではいきません。胃の壁は、年齢が高くなるにつれ、凹凸が強く、色調もまだらになってきます。早期胃がんは、その凹凸や色調の中に忍者のように隠れていることが多いのです。そのような早期がんを、タカの目で、探し出すのが私たち内視鏡医の仕事です。

ところが、最近「狭帯域光観察(NBI)」が、全国で導入されつつあります。忍者のように隠れている早期がんに波長の短い光を当てると、がん組織がほかの粘膜とは全く違った色となって浮き出てくるのです。波長の短い光は粘膜の表面に反射され、表面の微妙な変化をあぶり出すという原理です。また、がんの組織は増殖力が強いため、毛細血管が豊富です。その光は、赤い色に強く吸収されるために、血管が豊富ながん細胞は際だった色を呈します。

2008年6月に発売され、大規模な臨床研究はこれからですが、従来の胃カメラに比べ、格段に早期胃がんの発見率が上がると大いに期待されています。更に、従来の胃カメラと同様に、保険もききます。少しでも、多くの方が、定期的に内視鏡を受け、胃がんを克服していただければと願っています。

(辻仲康伸・辻仲病院 柏の葉院長)

「東葛まいにち」2010年6月9日号掲載


                                                  

2010年06月09日 コメントは受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: 爽快!いきいきライフ

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