「400分を超えた、その先」 滝本晴彦



「400分を超えた、その先」 滝本晴彦


 2018JリーグYBCルヴァン杯決勝進出を賭けたPK戦。柏レイソルと湘南ベルマーレのサポーターが固唾を呑んで見守る中、GK滝本晴彦選手はボールがゴールネットに刺さる音を5回聞くこととなった。歓喜に沸く湘南の選手たちの傍らで立ち竦む滝本選手を、中山雄太選手たちが労う。滝本選手は400分を超える戦いを終えた―。

 今季の滝本選手はACLでのプロデビューを経験してはいたが、その後リーグ戦出場はなく、9月のヴァンフォーレ甲府(J2)とのルヴァン杯準々決勝から4試合に出場。プロ3年目、本格的なデビューとしてはこのタイミングと言っていいだろう。

 この準々決勝2試合では3失点を喫したが、ムードを壊すようなミスはなく、安定感をもって試合をまとめてみせた印象が強い。しかし、「決して落ち着いていたわけではありませんでした」という滝本選手にとって、その失点は「貴重な失点」だったという。

「咄嗟に飛び出しただけで自分の間合いで相手と対峙できなかった。ゴール前での対応としては『後手』です。『先手』を取れていればピンチを防げた。その意味で次へ向けてどんな準備が必要かは自ずと決まっていきました。これはこの2試合で得た感覚なんです」

 そして決勝進出を賭けた湘南との2試合。「甲府と湘南、全く別のスタイルのクラブとの対戦経験はGKとしての今の財産」と話す滝本選手は平塚の地でPK戦という特別な体験をすることとなった。決勝進出の夢が潰えたその夜、PKを決められなかった仲間たちを思いやりながら滝本選手はこう回想した。

 「決勝でプレーしたい気持ちも強かった。でも、自分がPKを止めることができなかったから負けた…自分が止めれていたら、(江坂)任くんと山崎(亮平)さんに辛い思いをさせずに済んだはず。それなりのプレーはできてもチームを勝たせる仕事はできなかった。その後悔が今も自分の中にありますし、自分も少しは欲張っていいのかなと思っています。4試合ですけど、それだけ大きな経験をできた感触があるので」
400分の経験を経て、滝本選手には「欲」が生まれていた―。滝本選手の「次の1分」を求める奮闘は続く。
(写真・文=神宮克典)


                                                  

2018年11月28日 「400分を超えた、その先」 滝本晴彦 はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

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