南極観測越冬隊に参加して-武田康男・東飾高校教諭

武田先生
2008年12月に日本を発ち、オーストラリアのパース近郊から、オーストラリアの船で昭和基地に向かいました。
海氷に阻まれてからはヘリコプターで人員と物資を輸送し、前次隊と交代して、私は地球温暖化をもたらす大気の成分や、雲や大気の汚れ、雪氷の変化などを1年かけて調査しました。我々は50回目の隊員ですが、それまでの長い観測の歴史を絶やすことなく、また新たなテーマで地球環境を見つめてきました。
到着してまもなく昭和基地で史上最大の風速(平均風速47・4メートル)を記録し、建物や観測機器が壊れました。また、最低気温はマイナス38・5度を記録し、厳しい南極を実感しました。昭和基地の平均気温は暖かくなっているとは言えない状態で、積雪も異常に多い年でした。
空は世界で一番美しくきれいで、真っ青な空に見える雲はときどき彩雲になっていました。
また、日の出入りの太陽が緑色に見えるグリーンフラッシュもときどきありました。
オゾンホールをもたらすきっかけになる成層圏の雲を多角的に観測し、昭和基地ではじめて夜光雲を私が撮影しました。夜光雲は、正しくは極中間圏雲といい、通常の雲の10倍程度の高さにあり、地球温暖化や大気汚染に関係しているといわれています。
昭和基地ではオーロラがよく見えます。夜遅くなってから、南東の方角からカーテン状のオーロラがやってきて、それが揺れながら大きく広がっていきます。空を激しく動き回るときは、雪面に寝転がりました。
昭和基地付近には、夏になるとペンギンやアザラシが見られます。ペンギンは近くの集団営巣地で卵を産んで子育てをしていて、その調査をしました。
帰りは新「しらせ」が迎えに来てくれました。4メートルもの海氷を割りながら進み、柏市ほどもある大きな氷山とも遭遇しました。
そして、10年3月にオーストラリアのシドニーから空路で日本に戻って来ました。
これほど世の中の見方が変わる体験は、他にはないだろうと思います。「南極観測は厳しかったが楽しかった」というのが率直な感想です。
(武田康男・東葛飾高校教諭-柏市在住)
「東葛まいにち」8月11日号掲載
2010年08月11日 コメントは受け付けていません。 | トラックバックURL |
カテゴリ: 柏
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