生徒と向き合ってきた15年。教育現場から見えたもの 「KTS廣川校長講演会」



生徒と向き合ってきた15年。教育現場から見えたもの 「KTS廣川校長講演会」

身ぶり手ぶり話をする廣川校長

身ぶり手ぶり話をする廣川校長

不登校・発達障害・学習障害らを支援する「KTS柏高等技術学園」は開校15周年を記念してこのほど、同校の廣川萬里校長による「15年間の教育現場を語る」と題した講演会が開催された。

講演会の冒頭、廣川校長は、発達障害などを抱える生徒達の居場所作りに尽力した中高一貫校「星槎中学・高校」の創立者、宮澤保夫氏からの「不登校の学校を作ろうよ」の提案を受けたことが開校のきっかけとなった。

「整備などできる設備の整っているこの場所で、中学の成績などに左右されないで『学校を好きになってもらいたい』。バイク・車の好きな子が、好きなものや興味のあるものを大切にして学び、そしてその知識と技術を技術者として、実社会で役立て、生きる力にして欲しい」という思いが確かにあった。と、当時を振り返り熱く語った。

1期生について、迎え入れたはいいが、最初の授業で教師が「授業ができないです」と、すぐに戻ってきた。床に体育座りして、椅子に座っていられない生徒がほとんどだった。校長は「床に新聞紙を敷いて座って、一人ひとりに授業を教えてやって」と指示。

先生が実行すると、周りの子らがそれに興味を持ち、それからは椅子に座って勉強をするようになったことなど、試行錯誤してここまで来たことを話した。そして15年たった今、大きな違いは「上が下の面倒を見るまでに変わった。これが今のKTS」とキッパリ、胸を張った。


参加者の在校生の母親に、この学校に来てどのような変化が見られたか、話を聞いてみた。

「勇気を出せなかった彼がバイトを始め、生意気にも親に口答えをするようになったんですよ」とうれしそうに話すH君(2年生)の母親。
物を作ることや分解することは好きだが、上手に伝えることと、読み書きは苦手。あまりしゃべらずおとなしかった。中学の時、発達障害、学習障害と診断された。
普通の高校へは無理だろうとあきらめていた矢先、同校を知った。ここでは、今までの「駄目だろう」が「これならできるだろう」と思える自信が付き、勇気を出せるようになった。「自分の居場所、輝けることを見つけられたのだと思います」と明るい表情を見せた。

発達障害というK君(3年生)は中学2年の時不登校になり、生活も乱れた。「学校に戻りたい」と戻ったものの付いて行けなかった。先生が同校を推薦、入学した。
自立するためにと一人暮らしを始めたが、学校を休むことが多く単位をクリアすることができず、200時間の補習を余儀なくされていた。「このままだと卒業はできなくなる何とかしないと」と今年、先生とルームシェアタイプの寮生活を送ることにした。先生は、日常はもちろん長期の休みも返上して彼に勉強を教えた。
その甲斐あって「今ようやく補習が終わったんです。先生がよく面倒を見てくれて有り難い。頭が下がります」と母親。「乗りやすく、誘われやすい。それが不安だったが、人と一緒に暮らすことで、良し悪しが分かってきたようで意志を強く持てるようになったようです」とうれしそうにほほ笑んだ。

同校にはいろいろなタイプの個性豊かな生徒が集まってくる。その中で、さまざまな経験を積み、技術を身に付け、生きる力を付け巣立っていく。社会へ。



 


                                                  

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2013年08月28日 生徒と向き合ってきた15年。教育現場から見えたもの 「KTS廣川校長講演会」 はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

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