上野千鶴子さんさん老後の知恵と工夫を語る



上野千鶴子さんさん老後の知恵と工夫を語る

自身が目で見てきた、ケア付き住宅なども紹介した

自身が目で見てきた、ケア付き住宅なども紹介した

「おひとりさまの老後を乗り切る知恵と工夫」と題して東京大学大学院教授の上野千鶴子さんの講演会が9月9日、アミュゼ柏で開催された(主催=柏市男女共同参画社会推進協議会)。

高齢者の独り暮らしは「可哀そう」というイメージをもたれがちだが「高齢者の幸福度調査」によると、中途同居者の幸福度は低い。親が介護状態になれば、家庭は24時間365日休みなしの介護職場になってしまう。「おひとりさま」は親にも子にも楽な選択なのだという。

「これからの高齢者は老後の備えをしよう。それには自分の空間、自分の時間、自分のお金が必要」と上野さん。不動産は夫と共有名義にし、最後まで子供には渡さない。一人でいたい時に一人でいられる「おひとり力」を磨き、寂しい時に連絡できる友人をストックしておく。団塊世代は持ち家率が高いのでその資産をフロー(お金)に変え、一代資産は一代で食いつぶすことだという。

介護保険が施行され、介護を受けることが権利として確立したが、日本の高齢者、特に女性は「厄介をかけて、生きているだけで申し訳ない」という自己否定の思いで生きている。高齢化とは、誰もが大なり小なり中途障害者になるということ。障害者自立支援法では、介護を得て自己決定できる状態を「自立」としている。他人に依存していても負い目に感じることなく、障害者をモデルとして自立の意味を変えていこう、と提案した。

また「衰えていく時間を誰とシェアするか」として、NPOや生協など「協セクター」が運営するケア付住宅や小規模多機能施設を紹介。介護経験のある女性らが高い志の下に、ニーズ中心、住民参加・地域密着で作り上げてきたもので、経営効率も悪くない。「パイオニアとして待ったなしのニーズに応えてきた、この人たちになら自分の老後を託せるのではないか」と上野さん。

また、24時間体制の訪問介護、訪問医療、訪問看護といった「地域介護資源」さえあれば、在宅ターミナルケアも可能だという。

介護資源は地域格差が大きいため「要介護状態になっても、ここに住み続けることができるか?」を念頭に、自分が住む地域にどのような介護資源があるかをチェックすること。望むものがなければ「行政を巻き込んで、今いる場所を変えていってほしい」と結んだ。

                                                  

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