不登校・集団生活が苦手な子ども達と家族に寄り添い、相談支援活動する野田の『NPO法人未来塾』



不登校・集団生活が苦手な子ども達と家族に寄り添い、相談支援活動する野田の『NPO法人未来塾』

自身も勉強を続ける飯田代表

自身も勉強を続ける飯田代表

野田市宮崎の畑と竹林に囲まれた閑静な住宅の一角にある「NPO法人未来塾」(飯田忠雄代表)は、不登校や授業につまずくなど集団に馴染めない児童生徒の学習指導、カウンセリング、通信制やサポート校の生徒の支援をするほか、保護者の相談にも対応している。「ここに来ると癒される」と相談に来る人が多い。


東葛地区で37年間教員を務めた飯田代表は、在職中から不登校などの教育問題に力を注いできた。「不登校はふれあい方によって変わることを子ども達から学んだ」と言うが、「管理職になるとそれができなくなった」と振り返る。

その思いから県立関宿高校校長を退職後、何とかして子ども達の力になりたいと一人で活動を始めた。その間、千葉県が主催する教育相談員養成講座などで勉強し「教育カウンセラー」の資格を取り、放送大学では「心理士」の資格も取得した。

口コミなどで相談する人も増え、5年後の2008年3月、同塾を立ち上げた。スタッフも退職教職員らを中心に8人に増えた。「2年前、英語の先生が加わってくれたので、キリッと締まった」と笑う。

相談活動を続けるに従い、「家族間のかかわり方の大切さを感じた」と、現在は放送大学大学院で「家族心理学特論」を勉強中だ。

問い合わせは野田市宮崎205 TEL04~7122~8904
携帯090~1737~6605 メールtadao_iida@ybb.ne.jp
学習時間は基本10時から1レッスン90分だが、個人指導なので時間帯は要相談。


【不登校から立ち直った塾生Aさんのその後】

今でも時々飯田さんに会いに来る23歳のAさんは、中学の時、体の不調にいじめも重なり3年の2学期から不登校になった。精神科も含めいろんな病院で診察を受けたが病状が特定されなかった。

同塾で相談する母親から飯田さんの印象を聞いていたので、半信半疑で行ってみた。一度話して「いい人だ」と感じた。それからは毎日何気に行っては、学校や家庭のことなどいろいろな話をして時間を過ごした。「ここが唯一の行き場だった」と言う。

高校は「同級生に会いたくない」とあえて遠くを選んだ。が、再び症状が出て足が遠のいた。

10月に埼玉の通信制高校に編入、「ここはみんなが一人で自由、友達ができなくても居心地が良かった」と振り返る。

そんな中、「毎日のように来て機関銃のごとくたくさん話をして愚痴って帰った」と笑う。

それは彼にとって大きな成長だった。「僕みたいな子の話を聞いてあげられる飯田先生みたいな先生になりたい。カウンセラーになりたい。心理学を勉強しよう」と夢を持ち、やる気が出てきたのだから。

そして大学に進学、心理学科を選んだ。友達ができたのをきっかけに、髪形やファッションをがらりと変えた。率先して何かをやろうとする気持ちも芽生え、エネルギーも沸いた。

しかし、また症状が現れた。周りからは仮病じゃないかと思われていた。学校に行こうと思ってもいけない理由を友達に話していると、横で聞いていた心理学の教授から「それは過眠症という病気じゃないか」と言われ、医者を紹介してくれた。「心の病気ではないと安心した」その後は出ていない。

中学生の頃より身長が20センチ伸び、体形ともに変わった自分を同級生はどんな顔で見るか、わくわくしながら成人式に参加した。

誰も気が付かなかった。

話しかけると「え、誰」とみんな驚いた。一人が、「中学の時のことはみんな知っているみんなの代表として謝りたい」と言ってきた。「俺もおかしかった。俺の謝る場でもある」と和解した。今思えば「小さな出来事が重なっていじめに発展。俺もおかしかった。なるべくしてなったこと。中学の時はみんなおかしかった」と思えるほどに成長した自分がいた。

「ここ(未来塾)に来なかったら精神的にきつかったし変わらなかった。母も本当に変わった。今は、不登校でいじめられていたことなんて誰も信じないのがうれしい。ここのお蔭だと切に思う」。将来は「悩みを聞いてあげられる先生になり、ゆくゆくは『未来塾』のようなものを作りたい」と大きな目標もできた。

最後に彼は「ここは、よく話を聞いてくれ、それに対して『何々しなさい』と言われたことはない。『こうしてみよう』とか自分から湧き出させるヒントを与えてくれる。自分で考えるような方向付け、状況の整理をしてくれる。簡単にアドバイスはしない。僕は、いつも1時間じゃ済まないほどいっぱいしゃべります。活力が生まれたことはうれしい。今までギリギリでやってきていたから・・・・」と。

こんなにも変化した彼だが、まだ名前や顔を出すことはためらった。夢だった教師の仕事に就き、指導する立場になった時、自分の経験が生かせ、もっともっと自信が付いたら出てくるかもしれない。あと少し、待っていよう。

 


                                                  

2013年05月29日 不登校・集団生活が苦手な子ども達と家族に寄り添い、相談支援活動する野田の『NPO法人未来塾』 はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: 野田

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