あたたかさと自由の「学び舎」 我孫子の自主夜間中学の活躍



あたたかさと自由の「学び舎」 我孫子の自主夜間中学の活躍

web 我孫子市の自主夜間中学は、3年目を迎えようとしている。当初は少数だった生徒も、今では登録者が30人ほどに、その生徒たちの年齢は、現役の中学生から83歳の一般女性までとさまざま、国籍も、中国、スリランカ、フィリッピン、ネパールなど国際色豊かだ。
生徒たちが学習のため毎週火曜日の夜に「登校」して来るのが、我孫子市のけやきプラザ10階にある市民活動ステーションだ。そこには普通の学校のような教室も無ければ教壇もなく、あるのはステーションのオープンスペースと、そこに隣接する小さな二つの会議室だけだ。

ここに入学してくる生徒たちの事情はさまざま、いじめや学習不適応、また不登校となった中学生たちや、さらに、かつて中学の卒業証書は得たものの、実質的な学習不足に悩みあらためて学びなおしを決意した人たち、他にも、語学力不足の帰国子女や外国籍を親に持つ子どもなど、まさに今の時代の教育事情を反映したものとなっている。

ボランティアの先生たちも、元々が学校の教師であった方々や、またそれまでは教育現場とはまったく縁のなかった一般企業の元サラリーマンなど、そうした生徒や先生の多様性が、この自主夜間中学の大きな特徴なのだ。

学習はテーブルを囲んだ数人の生徒に対し2、3人の先生が付くマンツーマンに等しく、真剣さと笑いとくつろぎが交互に入り交じりながら、指導するというよりはむしろ伴走の関係、また、知識の伝授というよりも親睦のなごやかさを感じさせる雰囲気となっている。なんと驚いたことに、7、8歳の小さな子どもが2、3人入り交じっており、事情を聞くと、そこに通う中学生の兄や姉に付いてきた小学生たちとのこと。その子たちがそこに自然にとけ込んでいていることに違和感のない学び舎なのだ。

こうした夜間中学は今、国内における教育現場の共通事情を反映して、ここ我孫子市においても、地域における貧困家庭の子ども達の教育を、今後どのように支援してゆくかで、市の福祉課からその問題に対応するための意見を求められており、その具体案を模索している状況となっている。それについて、この夜間中学の主宰者である相沢裕寿氏によると「我孫子市におけるそうした事情の子供たちに対しては、それを今後どのようにサポートしてゆくかが公に扱いにくい、たいへんデリケートな問題であるだけに、今のところこちらとしては、市側の提案を見守っているところとなっており、それに対応してゆかざるをえない状況となっている」と説明される。

不登校やまた登校し辛くなっている生徒たちの居場所として、あらゆる機会を柔軟に提供している自主夜間中学であるが、実際的には、今春の高校への入学試験を受けた8人の子ども達全員が、その試験に見事に合格した結果となっている。

そんな彼らの旅立ちに、その後の長い人生の支えとなるに違いないものがあるとしたなら、それはそうしたボランテアスタッフたちから受けた心の温かさではないだろうか。なぜなら、決して受験勉強だけが主眼ではない、何よりも人の心と社会を信じられる学びの場のあることの幸せを、彼らはこの自主夜間中学から学んだからだ。

問・電話 090・4240・1975(我孫子自主夜間中学 〝あびこプラス・ワン〟・相澤さん)


                                                  

2016年05月25日 あたたかさと自由の「学び舎」 我孫子の自主夜間中学の活躍 はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: その他の地域 我孫子 東葛ニュース

トラックバック&コメント

まだトラックバック、コメントがありません。