新聞配達エッセイコンテスト2016



新聞配達エッセイコンテスト2016

新聞配達や新聞販売所に関するちょっといい話や心温まるエピソードを
「大学生・社会人」「中学生・高校生」「小学生」の三つの部門に分けて募集した結果、はがき、封書、電子メール、ファクスにより、海外からも含めて3,280編の応募がありました。各部門の最優秀賞をご紹介します。

小学生部門 最優秀賞「忘れられない日の出」夏目 秀彦(11歳)大阪府東大阪市

「ひーくん、起きて」と言われたのは、午前3時すぎだった。
「あっ、そうだった!」
今日は初めておじいちゃんの新聞配達を手伝う日だったのだ。
着替えて軽食を取り、すぐに出発した。
外はとても寒く、暗かった。
販売店に届いている新聞を取りに行った後、近くの家に配っていった。
はく息が白く、手は赤くかじかんでいた。
それでもおじいちゃんは一軒一軒、ていねいに新聞を届けていった。
そしてようやく最後の家に来たとき、東の方からまぶしい光が照ってきた。
「あーっ! 日の出だ!」
そのとき見た日の出は、ぼくにとって忘れられないほどきれいな日の出だった。
家に帰った後、ぼくはおじいちゃんに言った。
「いつも配達ありがとう、おじいちゃん」

高校生部門 最優秀賞「配達員のおじさん・只今作業中」 星野 凜(13歳)東京都

「おはようございます」
冬の早朝、早起きをして、家の前のつぼみがつきはじめた植物に水をあげていると、声をかけられた。まだ眠たい目をこすりながら顔を上げると、配達員のおじさんが立っていた。
「お花、早く咲くといいですね」と、配達員のおじさんは笑顔で言った。
春が来て、つぼみが開いた花に水をあげていると、また声をかけられた。
「きれいに咲きましたね」
「ありがとうございます」と、私は小声でお礼を言った。頑張って育てた花を褒めてもらったうれしさと、覚えてくれていたうれしさで、心が温まって、思わず笑顔になったのを覚えている。
いつも、笑顔と新聞を届けてくれてありがとう! あのときは言えなかったけれど、また今度会ったときは、大きな声で感謝の気持ちを伝えたいと思う。

大学生・社会人部門 最優秀賞「新聞がくれた勇気」 水野 貴子(49歳)熊本市

平穏な夜に突然、熊本に地震が来た。
避難先で夜を明かし、自宅へ戻ったら、いつものように新聞があった。いつもと変わらず玄関ドアのポケットに新聞があった。ああ家に無事帰れたと、ほっとした。ほっとしたその夜、また熊本に地震が来た。一瞬死を覚悟するほどの大きな地震だった。揺れやまない大地、漆黒の夜、サイレンとヘリコプターの音。バッテリー残量が心もとないスマホを握りしめて、車中で震えて過ごした。一睡もできず、もうすぐ夜明けかという頃、一台のバイクが走り抜けた。わが目を疑った。前かご、後ろかごに載っているのは新聞である。こんな非常時の朝、定刻に新聞が配達されている。
熊本の人はみんな被災者だ。配達員の彼も被災者だ。なのにいつものように、当たり前に新聞が配達されている。ここに日常がある。いつもの朝がある。
停電の日々、毎朝夜明けとともに避難先から帰宅すると、玄関ドアに新聞があった。日常はきっと取り戻せると確信した。


                                                  

2016年10月26日 新聞配達エッセイコンテスト2016 はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

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