間違いのない歩み 滝本晴彦



間違いのない歩み 滝本晴彦

web 若い力の台頭著しい柏レイソル。主力として価値を示す柏レイソルアカデミー出身の先輩たちの少し後ろで「その時」を待つ1人の若者がいる。GK滝本晴彦選手だ。年代別日本代表への招集こそあるものの、エリート街道を歩んできた選手ではない。190センチを超える恵まれた体躯や将来性も魅力だが、特筆すべきは濁りの無い豊かな感受性と向上心だ。
「『プロの世界』のことなんて何もわかっていなかった」という昨年は日立台の練習場で泥まみれになりながら、「プロの世界」を体得する日々を過ごした。
そして2年目の今季、状況は大きく変わった。 4月12日、大宮アルディージャとの「JリーグYBCルヴァン杯」第2節で滝本選手は初の公式戦ベンチ入りを果たすと、その後5試合でサブGKに選ばれた。
「『きた!』と静かに喜びを噛み締めていましたが、すぐに緊張感が湧いてきました」。
先発に桐畑和繁選手を起用し、サブは中村航輔選手と予想された中でのメンバー入り。憧れのプロのピッチが手の届くところまで来た。
この大きな経験を通して彼が考えたのは、プロサッカー選手として「生活を懸けた真剣勝負」へ臨む姿勢についてだった。
「試合のことを考えながら、行動や言動、食事や睡眠にも気を配っていくことを身をもって経験できた。『百聞は一見にしかず』というのを実感しています」。
滝本選手は、この貴重な機会を自分の足元を見つめ直す機会へ変えた。
「今回の帯同は決して自分が優れているからではないですし、現状に満足はしていません。喜びも悔しさも経験できた中で『チームのためになること』を考えて実践することは練習で良いプレーをすることとはまた別だと知りました」。
1人の若手選手が手の届きそうな距離で蓄えた皮膚感覚は、計り知れない力となっている。そして優れた手本が常に目の前にいる。
「試合中のGKの交代はチームにとってピンチですけど、自分には『チャンス』。その時のための良い準備を考える機会になりました。キリくんと航輔くんから学んだことを自分なりに解釈して、いつか出番をもらった時に、『その時点での集大成』を発揮したい」。
5月20日には20歳の誕生日を迎えた。日立台の日常や刺激的な戦いの場で目にしてきた景色から
今の滝本選手は何を感じ、どこへ向かうのかを聞いた。
「1日も早く『実力で勝負できるGK』になることです。そして、いつか…」。
少し言葉を探してから、滝本選手は明確なイメージと展望を口にした。
「言葉にすると、『晴彦がいてくれるから大丈夫だ』とチームに思ってもらえるような『頼りにされるGK』ですね。試合へ出場できるようになれば、また『その時点での集大成』は更新されていくと思いますし、目の前には質の高い2人の先輩がいるこの恵まれた環境を大切にして、たくさんのものを吸収していきたい。やるべきことはまだまだたくさんあります」。
プロ入り2年目、滝本晴彦選手は間違いの無い歩みを続けている。

 (写真・文=神宮克典)


                                                  

2017年05月31日 間違いのない歩み 滝本晴彦 はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

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