進化と、その「間」の美学ー武富孝介



進化と、その「間」の美学ー武富孝介

web「昨年まではチームとして求められる部分に重きを置いて、ゴールに関しては重要視していなかった。今年はチーム内の激しいポジション争いもあって、必然的に結果を求めなければいけない状況にあった。ゴールは直接勝利に貢献することができるので」変貌のきっかけについてそう話したのはMF武富孝介選手。積み上げたゴールは自身の背番号「8」を超えて、2桁に迫ろうとしている。チームでは2番目のゴール数を誇る。

この日も様々な状況を想定したシュート練習に励んでいた。「今まではこんなに毎日シュート練習をやっていなかった」という武富選手だが、左右からのクロスに頭から飛び込んだり、GK泣かせのコースを突くミドルシュートを放ち、ゴールネットを揺らし続けた。

日課となったシュート練習には、ゴールへの意識付けやゴール数の増加に繋げるだけでなく、別の狙いもあった。「試合の中でもシュート練習をたくさんやっている人がシュートを打った方がみんな納得してくれるかなと思って」。

本来はゴールの一歩手前、中盤でのプレーで「違い」を見せてきた選手だった。どんな相手を前にしてもフリーでボールに触るポジショニングの良さはチーム屈指。相手と相手の「間」を見つけ、そのスペースで味方のパスを引き出しボールを循環させる。「間」を使った武富選手のワンプレーがゴールへ直結するシーンを作り出すことも多かった。それは武富選手の美学でもあった。

「自分の身長とか特長を考えても、相手の『間』や『前』に入っていくことが必要。チーム全体でボールを動かすためにも誰かが間を取ることが大事だし、チャンスメイクでリズムを出すプレーを常に意識してきた」
その美学に「ゴール」という項目が追加された今年、「間」を取るポジショニングの良さを活かしてゴールチャンスに関わるシーンは格段に増えた。そして、結果も付いてきている。

9月23日のFC東京戦での2ゴールは武富選手の進化が見て取れるゴールだった。シュートチャンスの迎え方は異なれど、武富選手はフリーでシュートを放って見事にゴールへ沈めている。

「今は常にゴールを奪える位置に顔を出すポジショニングを意識して、実践できているし、自分の技量とパワーを考えて、自信を持って打てる時にシュートを打ちます。東京戦の2点は練習でもあの角度からのシュートを打ってきたので確信があった。今はシュートコースが見えたり、自信を持って打てています」

武富選手のこれまでのキャリアの中でのシーズン通算最多ゴール数は2012年・J2ロアッソ熊本在籍時の14。レイソルで再び「ゴールに目覚めた」武富選手がこの数字に迫ることができれば、アジアでの戦いへの扉をこじ開けることができるかもしれない。

(写真・文=神宮克典)


                                                  

2017年10月25日 コメントは受け付けていません。 | トラックバックURL |

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