秀逸なビジョン、秀逸な逆算。 江坂任の「ひと手間」



秀逸なビジョン、秀逸な逆算。 江坂任の「ひと手間」

rey3「レイソルのスタイルを自分もやりたかった。質の高い縦パスが入ってくるので、クロスへの入り方も含めて自分の特長が活かせると思う」
MF江坂任選手は柏レイソル加入直後にこのように話していた。その後、江坂選手は自らの言葉を具現化するようにコレクティヴなプレーで攻撃に新たな彩りを添えている。
ピッチの広域を漂い、相手守備陣の隙間でボールを呼び込み、ボールを動かして、新たな展開を作ってから相手ゴール前へ歩を進める。この江坂の「ひと手間」が生む攻撃の厚み、そして、これまで迎えてきた多くの好機を相手DFから離れた「フリー」の状態で迎えているポジショニングも注目に値する。今季初戦のムアントン・ユナイテッド戦から決定的シーンを創り出しチームへのフィットを伺わせていた。ただ、江坂選手のシュートはことごとくゴールポストやバーに嫌われた。だが、まるで自らのゴールシーンを逆算するかのようなプレーは歓喜の瞬間がすぐに来るであろうことを容易に想像させた。
「まず『ゴールへのイメージ』を大切にしている。相手が思う逆のイメージ。相手が『右から来るな』と感じている時にその逆を突く準備も出来ているのが理想ですよね。自分はチームの助けになるようにボールに関与しているし、どのようにボールを前へ運んでいくのか、ゴールに関わるのかをいつもイメージしている。ボールを動かして、最後にゴール前でそのボールに絡むことが自分の仕事ですから」
江坂選手のビジョンが結実したのは3月18日のガンバ大阪戦だった。
不意を突くタイミングで放たれたDF小池龍太選手の縦パスがG大阪守備陣の足を止めた。そのパスを受けたFW伊東純也選手はテンポ良く前方のスペースへボールを繋ぐ。そのボールにスピードとパワーを持って走り込んできたのは江坂選手。ここもフリーだった。華麗なフェイントで相手を翻弄して左足で今季Jリーグ初ゴールを流し込んだ。
その10分後にも伊東選手からのボールを受けた江坂選手。またしてもフリー。江坂選手は左足から右足へボールを持ち変えて右足を振り抜き追加点。どちらのゴールも江坂選手の魅力が詰まったものだった。
「崩し方もボールのもらい方も良くて、シュートコースも見えていました。2つのゴールともディフェンスが飛び込んで来るのは見えていた。ゴールが欲しかったので早めに取ることが出来てホッとしている」
自身のパフォーマンスに安堵を見せたが、試合は引き分け。「ただ、もう1点取って、試合を決めなくてはいけなかった」という反省も忘れなかった。
「任」という名前には、「責任感のある人間に育って欲しい」という思いが込められているという。チームの結果以上に江坂選手が決めたこの2ゴールが持つ意味は大きい。ここまでゴールに嫌われ続け若干の遠回りはしたが、確実なプロセスを踏み江坂選手は今「10」という番号と自らの名前にふさわしい選手になろうとしている。

(写真・文=神宮克典)


                                                  

2018年03月29日 コメントは受け付けていません。 | トラックバックURL |

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