支援者の「達成感」と「不安感」藁にも縋りたいというなら藁になりたい



支援者の「達成感」と「不安感」藁にも縋りたいというなら藁になりたい

1、カウンセラーSさんがケースの相談をされた後、言いよどみながら「内堀さんは、相談を受けてうまくいかなかった経験はありませんか?」真剣な目つきで僕を見つめる。
2、都内の小学校教師自主研究会「無門会」の先生方17名が来園され、「教師は自己満足と錯覚に陥っていないか」のテーマで討論した。その折、経験5年目のM先生が「先輩の先生方の教えに従って、授業をし、イメージ通りの授業ができたと自分では思えることもあるのですがすぐ後から、これでいいのかという不安に襲われます」と。

3、スタッフ2名(男女)で10名前後の異年齢の子どもと住まう小舎が10軒ある児童擁護施設でスーパーバイザーをしている小宅さんは、スタッフ20名の、子ども達への対応・支援についてチェックし、指示・助言・援助・垂範などを、時に現場で、時に取り出しで、時にミィーティングで、伝授している。そうした立場にいて想う。「自分の発言は正しいのか。それは自分でも実践できることか。スタッフの気持ちや考え方を無視していないか。入所している子ども達の成長に役立つと言えるのか」と、考え始めると不安になって全てに自信が持てず、私は思い上がっているのではないか。この仕事を続けていいのか。この役割は私には重すぎるかも…」となると、さめざめと涙を流す。
3人三様であるが、「誠心誠意努めているのに、成果が客観的に把握できない不安感」で共通している。僕もそうした想いにさいなまれる日が多い。それでも「藁にも縋る」想いで相談・見学に来られる方には、藁になろうと思って真摯に向き合う。

相談・見学の後はもちろん、日常活動だけの日でも、毎日就寝前に、その日一日を反すうする癖がついていて、一日の行状を頭の中に隈無く再生する。その時には、自分を見つめ、ハイの気分の時は厳しく、沈みがちの時は甘い基準で自己評価して「まぁいいか」と思って眠る。「あなたも僕も『人と向き合い、時にその人の運命を左右するような、おそろしい仕事を選んでしまったのです』そのことに畏怖の念を持ち続け、自分をほめることも忘れないようにしましょう」と答えた。

「東葛まいにち」2014年2月26日号掲載


                                                  

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