No194 願い



No194 願い

親の願いは親の価値観による 子どもへの干渉

「先生は、子どもが復活するためにはしぼんだ心をふくらます必要があると言いますが、私は、子どもにただ元気になってほしいだけなのです」 「元気になってどうしてほしいのですか。結局のところは、元気になって外出したり、遊んだり、さらに元気があれば学校へ行ったり、という風に聞こえます」 「私の願いは間違っているでしょうか」 「間違っていませんが、そうなるためには十分な心のエネルギー必要です」

またある母親は、「娘には、ただ幸せな人生を送ってくれればそれでいいと思っています」と話してくれました。親の願い。子どもが元気で幸せであることを願わない親はいませんが、その願いが、子どもを管理、支配する心から生まれていることには、なかなか気づきにくいもの。 親が子どもを管理、支配し続ける限り自立できない子ども。一方で、「管理、支配などしていません、親としてするべきことをしているだけです」と主張する親。親としてするべきこと、というのが実は管理、支配そのものなのですが、言葉の響きのよさにつられて、つい勘違いしてしまうのです。子どもは今のままで元気になる要素は体に備わっています。

また、子どもは親から幸せになる術をすでに教え込まれているのです。親の願いをくりかえし聞かされ、また、分かっていることをくりかえし教えられたら、誰しもやる気を失います。自分の思い通りに失敗しても行動し試してみる。その中にやりがいや達成感が潜んでいるのです。 「うちの子は、まだ分かっていないと思うのですが」と、心配そうに話す母親がいますが、その心の内を覗いてみると、(もっと子どもに干渉したい)という欲から逃れきれない叫びが聞こえてくる気がします。 子どもが思春期に入ったら、親の願いは、親の価値観による子どもへの干渉と考えるとよいでしょう。それでは子どもがダメになると考える方は今のままの管理、支配を続けるのもよいと思います。 思春期の問題は、親がどれだけ自分自身を理解できているかにかかっているからです。

次回は、「波立ち」

「東葛まいにち」2014年3月26日号掲載

 


                                                  

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カテゴリ: 思春期ブルー 連載記事

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