「楽しい授業を有り難うございました」「授業体験会」で挨拶する15歳の不登校生



「楽しい授業を有り難うございました」「授業体験会」で挨拶する15歳の不登校生

「生徒が『偽りのない今』を生きるための授業をつくり続ける」を掲げる、自由の森高校は受験希望の中3生を募って「授業体験会」を実施。都さん(15)は歴史の授業に参加し感想を綴る。テーマは「アイスマンの謎」。アイスマンとは、1991年アルプスの氷河で見つかった約5300年前の男性ミイラだ。 先生がスクリーンに映す資料と解説から始まった。年齢・身長・体重、瞳や肌の色、さらには牛乳が苦手だった可能性が高いなど様々なことが解明される中、死因だけは定かではない。ミイラの近くにあった彼の持ち物や、ミイラの体勢、発見された場所などからその死因について意見を出し合う。初対面の人が集まって授業が成立するのかと初めは思っていたが、反論が出たり、意見を聞いて自分の考えが発展したりと、活発なやりとりがあった。5300年という私にとっては漠然とした大昔にもかかわらず、高度な医療技術や知識を持っていたことが分かり、歴史のおもしろさを感じられる授業だった。

小2の春から中3までの8年間「学校」との関係を絶っていた都さんが、3回も挙手して課題に対する自分の見解を明瞭な言葉で発表した。そして、授業が終わると、板書を消している先生の元につかつかと歩み寄り「先生!楽しい授業をありがとうございました」とお辞儀をした。すると先生は「お名前は?」「はい、宇藤都です」「宇藤さん。次の全体会で、授業の感想を発表してくれないか」と頼んだ。受験希望者と保護者など約200人の前で、次の主旨の感想を述べる。

「普段、歴史の勉強というと、人名や年号を〝記憶〟していくだけで、あまり『人が生きていた』という実感を持つことが出来ませんでしたが、今回の授業では資料をもとに自分の意見を持ち、他の人の意見を聞いて“考える”ことができました。『歴史っておもしろいんだ』と初めて感じました。毎日こんな授業を受けることができる自森の生徒たちがうらやましいです」と。

驚嘆したのは、「楽しい授業を…」と挨拶したこと。15歳の少女が先生と対峙して、しかも、礼儀正しく自分の想いを伝えている。頼もしい自立の姿であり、豊かな感受性の現れではなかろうか。


                                                  

2015年11月25日 「楽しい授業を有り難うございました」「授業体験会」で挨拶する15歳の不登校生 はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

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