自閉症のある子に寄り添う支援②



自閉症のある子に寄り添う支援②

その子たちの「自分の世界」を豊かにする

前回述べた「自分の世界を生きる」自閉症のある子への支援「第一ステージ絶対受容」を、鈴さん(10才)の事例で紹介したい。【 】はヒント。

◆鈴さんが登園して上がり框に腰を下ろすと、古紙の入った箱と、テープのように細長く裂いた紙を入れる篭を与える。器用な指使いで紙裂きをする。飽きるまで。【クルマで移動するような場合「鈴さんの古紙裂き一式」を持ち込む】

◆華さん(9才)のドラムに合わせてトランポリンで飛び跳ねる。飽きるまでドラムを叩いて上げる華さん。【小さな支援者】

◆午後、学園生の数が増えてきて賑やかになると自分で押入に入り頭を布団の間に入れる。寝転がり毛布を頭からすっぽりかぶり全身を包むこともある。【防音ヘッドフォンを着ける。段ボールで、広さ90㌢×180㌢・高さ100㌢以上の屋根付きの一人部屋をつくる】

◆散歩は小さなボールを持って、いつものコース。スタッフと一緒に、踏み分け道のような小道の両側に茂る野草に一足一足触れながらゆっくり進む。細長い葉っぱを見つけると、しゃがみ込み、葉脈に添って糸のように細く裂いていく。指の動きにちょっとした様式がある。隣にしゃがみ込み一緒にやってみるが難しい。飽きるまで待つ。ブランコと滑り台だけの小さな公園には誰も居ない。走ってブランコに乗り「せーの!」と声を出す。「背中を押して」の合図である。大きく揺らし「きゃきゃ!」と笑う。飽きるまで押す。それから滑り台へ。てっぺんの足場に脚を広げて座り込み、ボールを小刻みにつき、ポーンポンポンポン…という音に耳を傾ける。これもひたすら続ける。スタッフが「帰ろうよ」と声をかけてみる「まだ」と言う。待つ。【師弟同行。散歩コースを変更しない】

◆いつもお姫様抱っこや、おんぶをしてくれる康君(スタッフ)を、舞台でアイドルのダンスを踊る6人の中に発見した鈴さんは、舞台に飛び上がり、おんぶして欲しいそぶり。康君はおんぶして踊り続ける。汗びっしょり。【いかなる時も弱い側を優先させる】

常にその子と共に在って個性・特性を見つめ共有して、その子の「こだわり」を充実・教化する支援を一緒に楽しみながら続けたい。


                                                  

2016年03月30日 自閉症のある子に寄り添う支援② はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

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