自閉症のある子に寄り添う支援③



自閉症のある子に寄り添う支援③

その子たちの「個性」を開花させる

◇「自分の世界を生きる」自閉症のある子への支援「第三ステージ個性を際立たせる」を、高機能自閉症と診断された聡君(27)の事例で紹介したい。
【 】はヒント。
◆1才半、呼んでも振り向かない。3才で単語が出る。6才頃、携帯ゲーム機の画面を絵に描いたが一緒に見ていた母親には解るが他人が見ても解らない絵。【固執を見守る】10才頃学校で絵本「もちもちの木」を見て、木と人とお日様を描いた。これが絵らしい最初のもの。でも1年間にそれ1枚だけ。「絵を描くのが好き」などとは言えない。

◆小5頃からは、携帯ゲームとパソコンの毎日。中学年齢から不登校を選択、ゆうびに通う。ゆうびでもパソコンばかり。母親とゆうびスタッフは【興味を広げたい】と「①聡君自身が表出するもの②聡君も他人も五感で感じるもの③は①②を満たし聡君に出来るものは?」と【与えるものの決め手】を考え消去法で「絵」が残った。

◆【絵を描くことだけに集中出来る】準備・片付けの容易な絵道具箱。1色ずつ固められた粉えのぐ入りの小さな四角の蓋付き皿を並べて置きその上で色を作る。絵筆も軸に水が入り筆洗がいらない。皿の色が濁ったらチリ紙で吸い取る。用紙は小ぶりのスケッチブック。全て聡君と母親が用意。

◆絵用具箱を持って登園。最初は玉ねぎ・じゃが芋・なすなどを見「これくらいの大きさがいいね」と画用紙に大きさを鉛筆で記す。隣から「いいね・うまい・その調子で…」。【褒める】週1の絵教室。

◆「聡君と一緒に描きたいわ」と女性画家が来て下さる。聡君の手が止まり「んぅ!・あぁ…」と声を出すと「すてきよ。それで良いわ」と一声掛ける優しい支援者。

◆母親は聡君の描いた絵に「聡」の落款を押し、額に入れてゆうびフェスの作品コーナーに展示。【聡君の魅力を広める】、中村美術館長の目にとまり「聡君の個展をやりましょう」と声がかかる。今まで8回の個展開催、これからも続く。

◇純粋な心の聡君の眼に映るそのままを忠実に再現される絵だからこそ、複雑な人間関係を生きる現代人の心を癒やす。「聡君、いい絵をありがとう」と言っても一瞬目が合い「あぁ~…はい」と応ずるだけ。


                                                  

2016年04月27日 自閉症のある子に寄り添う支援③ はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: 子どもの広場 連載記事

トラックバック&コメント

まだトラックバック、コメントがありません。