1955年頃の小学5年生の学級会  遠足の「おやつ代」を決める『多数決』



1955年頃の小学5年生の学級会  遠足の「おやつ代」を決める『多数決』

55年体制が話題になった頃、照ちゃん先生は二つ目の学校で5年1組の担任。春の遠足の前々日「遠足のおやつ代をいくらにするか」の議題で学級会が開かれた「自由がいいです。ダメだと思います。お金のない人は可哀想です。20円が良いと思います。少ないと思います。おやつを食べに遠足に行くんですか。違うと思います。少ししか買えない人には、分けてあげればいいと思います。人に貰うのを恥ずかしがる人もいます」「先生に聞きます『多数決』で少ないお金に決まっても、それでも家で貰えない人はどうしたらいいですか?」一斉に先生を見つめる。…「う~ん、それも考えて話し合いましょう」…。突然、Aさんが「先生!『M君が遠足に行かない』といっています」。

M君は父子家庭、バラック長屋に住んでいて、父親は定職がなく日雇い仕事に出掛けます。毎日仕事にありつけるとは限りません。あぶれた日には「モク拾い」で飢えを凌いでいます。放課後M君に聞くと「着る物がない、学生服が有るが質屋さんに預けてある」と「先生と一緒に受け出しに行こう」70円でした。

前日の放課後には、先生もM君や子ども達に誘われて駄菓子屋さんに繰り出し、学級会で決まった25円で自分の好きなおやつを買うのでした。当日は良く晴れ48人+先生の学級は、1人の欠席も無く楽しい遠足になりました。夕方、三々五々家路に着く子ども達を見送りながら、学級での『多数決』について考え込む教師でした。
10歳の子どもでも、自分と学級の皆の心の内を想いながら一心に発言している。一人一人の異なる想いが『多数決』によっていとも簡単に1つ2つ…というタダの『数字』になってしまう空しさや、多数決という名で無視されてしまう友達の居る事にも気付き、基本的人権意識の芽生えも感じられる。それでも民主主義では重宝がられる『多数決』です。
今国会では1945年廃止の「治安維持法」とも見紛う「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案が議論されているようですが個人の精神の自由や
感受性まで踏みにじることのないよう「多数決」で押し切ることなく真意を尽くして国民全てが納得のいく結論を出して欲しい。


                                                  

2017年02月22日 1955年頃の小学5年生の学級会  遠足の「おやつ代」を決める『多数決』 はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: 子どもの広場 連載記事

トラックバック&コメント

まだトラックバック、コメントがありません。