「子どもの予算生活」は無理か?豊かな金銭感覚が育ちにくい社会



「子どもの予算生活」は無理か?豊かな金銭感覚が育ちにくい社会

70年代の話。担任を持っていたクラスの小学6年生に「予算生活をしてみよう」と提案してみた。

 月極の活動費(教材費・給食費・積立金等+学用品費+自由になる小遣い+幾ばくかの予備費)を親から貰い《私の出納簿》をつける、各自保護者と相談して決め、月初めに頂戴して1ヶ月生活する。翌月は出納簿を提示させ自己判断で消費生活が出来たことを褒め、翌月の助言をして予定金額を提供する。

 数ヶ月すると「先生!練習帳の集金、来月に回して下さい、今月は友達3人から誕生日会の誘いがあってプレゼントで予算オーバーしそうなの、お願い」などと言う子も。月末の夕食時、父親が一杯やりながら〝給与明細〟を見せ、月給の全てを子に語って「お母さんは、毎月これだけのお金で家族の生活を支えているんだよ」などと語る。「パパ!ボーナス闘争頑張ってね」などと言う子も…。健全な金銭感覚と思う。

 過日〝柏子どもの文化連絡会〟の学習会で《今の子の金銭感覚について》話し合う。/私達の子どもの頃に比べると月決めで「お小遣い」を与える家庭は激減している/その都度子どもの要求に応えて〝買い与える〟家庭が増えている/子ども同士のお付き合いでも親が決める傾向にある/子どももカードで買い物をしてお金に触れていない/現金と物が結びついて機能していないなど。

 正当なお金の価値は、親が学ばせないと子どもは自力では気づきにくい。気づけない子はどんな手段でもいい「金さえ手にすれば」と不正・不法な行為・行動に及ぶことにもなりかねない。国の金融政策が変化しようと、親が我が子に伝えなければならないことは〝正当な労働により得た賃金で生かして頂いている〟ことだろう。

 お金は物を入手する手段ではあるが、人間はお金に心を託すこともある。冠婚葬祭はその典型。

 日常ではスーパーへ一緒に買い物に行き〝品物選び〟を一緒にする。「誕生日に友達を呼んでパーティーをしたい」などの時には、具体的な計画を助言しながら考えさせ、必要な経費は上限をきめて計画させる。 親が〝我が家の経済事情〟を意識していれば、我が子の金銭感覚も豊かに育っていく。その機会は日常生活の中に存在している。金銭感覚は消費生活のみに必要なのではない。将来どのような手段・仕事でお金を得るかにも通底している。


                                                  

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2019年02月27日 「子どもの予算生活」は無理か?豊かな金銭感覚が育ちにくい社会 はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

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