No190 変わる



No190 変わる

外来では、不登校、無気力、抑うつ、心身症など思春期病への対応として、親が上目線の姿勢を変えることを勧めています。
ある母親の話。

「なかなかうまくゆきません。ついしゃべっては反省し、気づけばまたしゃべっています」

どうすべきか分かっているのに思い通りに行動できないことは誰にもありますが、しばしばそれを自分の注意や努力の不足と勘違いして悩むのは残念なことです。

私たちの行動は、大きく分けて意志の指令と脳の指令によって起こると考えておくと便利です。

意志(思い)通りにゆかない行動の正体は脳による指令だからで、実は意志の関わりは薄いのです。こうした行動は、つい、いつの間にか、自然にという風に起こるもので、習性とも言えます。

ところが、実際にその行動をしたのは自分自身であり行動の途中では多少迷ったりもするので、結果として、すべてが自分の意志による行動と勘違いするのです。

この勘違いをしないためには、不本意な行動に気づくたびにそのスタートが何であったかをチェックしておくことが有益です。意志か?脳か?

大雑把には、つい、いつの間にかの行動は脳の指令としておけばよく、それが上目線であったなら、それこそが意志では消えにくい言動考ということになります。

ただし、習性としての上目線な言動考は、脳が過去の体験や記憶を元にパターン化した行動様式なので、そのパターンを崩すには多少コツが必要となります。SDKSで勧めているのは、たゆまぬ上目線のチェックです。

脳が意志に反する指令をする一番の理由は、統一性のある行動様式を指向しているためで、いっときの思いつきで従来の習性を変えられては困るからです。

ですから、親が変わるにはどれだけ本気で上目線を削除したいのかを脳に伝える必要があります。苦しがって上目線を消そうとしても脳は反応しませんが、上目線のチェックを怠らずその不快さと不要さを訴え続ければ、やがて脳に伝わります。脳の納得は習性に変わります。
これが、本当に変わる一つの方法です。

次回は「機先語」。

「東葛まいにち」2013年10月30日号掲載

 


                                                  

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カテゴリ: 思春期ブルー

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