No191 機先語



No191 機先語

思春期病への対応として、親が上目線の言葉、行動、思考を削除することを勧めています。

結果的には、黙り、聴き、先回りしないことになるのですが、これまで上目線が子育ての手段だった親にとって抵抗感があるのはいうまでもありません。

おおよその方法をお伝えした後、しばしば耳にするのは「自信がありません」という言葉。素直に自信がないと聞くこともできますが、実はもう少し深い意味が含まれています。「自信がない私に何か勧めるならちゃんと面倒みて」と、丸投げの要求に等しいのです。

必ずしも意図的な言葉ではありませんが、こちらの機先を制するには十分な力をもっているので、「頑張ってみる価値はありますよ」などと応じれば丸投げの要求にはまることになります。

こうした相手の機先を制する言葉を「機先語」と名づけましたが、親子の会話でもけっして珍しくありません。

【ケース1】
子どもが「少しイライラしているみたい」と母親に声をかけてきます。母親は「いいえ、イライラしてないわ」と答えます。何気ない会話ですが、母親はすでに機先を制されています。イライラしていない、と言わされた時点で、その後の会話でイライラしたくなっても、ある程度は我慢せざるをえないのです。

【ケース2】
子どもが「怒られるのは分かっているけど言っていい?」と声をかけてきます。母親が「なあーに」と答えてしまうとOKを出さずとも怒るに怒れなくなります。

【ケース3】
「お母さん、ごめんね。学校へ行けなくて」と低姿勢な子ども。子どもの控えめな言葉に、母親には「そんなことないわ」くらいしか言葉が残されていません。

半ば無意識な「機先語」でも、話がうまい具合に進むと、子どもの脳にはそのパターンが焼きつけられ、親は、何度となく類似した不本意な立場に追い込まれることになります。

対策は、「機先語」に気づいたら答えを先送りして白黒つけないこと。しゃべればはまり、上目線のきっかけになるのがオチ。「もう、はっきりしないんだから」と言われるくらいが頃合いでしょう。

次回は「反省」。

「東葛まいにち」2013年11月27日号掲載


                                                  

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カテゴリ: 思春期ブルー

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