No.169 習性



No.169 習性

不登校、無気力症候群、対人恐怖症、強迫性障害などの思春期病に共通するのは、心のエネルギーの消耗です。

原因が何であれ、心がしぼむ背景にあるのは、努力にもかかわらずそれに見合った十分なやりがいや成果が得られないこと。また、成果をあげられない自分を責めることでも心はしぼみます。

ですから、思春期病の迷路から抜け出るには、子どもがやりがいや成果を感じられる生活を送れる環境と、自分を責めなくてもよい状況を作ることが大切になります。

ここでクローズアップされるのが親、特に母親の存在です。子どもには、母親を喜ばせたいという潜在的願望があり、自己評価のみではやりがいや成果を十分に感じることができません。母親の〝もっと〟という姿勢は子どもを悩まし続けることになります。

また、人間誰しも人から命令されて行動することを嫌います。命令された行動によって何か成果が生まれても、その取り分の多くが命令者に回ってしまうからです。

そんなことから、親の価値観で子どもを評価しないこと、そして命令、指示しないことが、子どもの心をふくらませて思春期病の迷路からの脱出に役立つのです。

もっとも、お勧めしたからすぐにできる訳ではありません。子どもを評価、命令、指示することが、親としてすでに習性となっているからです。

そんな習性を変える。習性は半ば無意識に出てしまう行動であり、意図的に(変えたい)(やめたい)と思っていても、〝つい〟出てしまうという特徴があります。それゆえにちょっとした工夫が必要です。

習性が、脳の指令によって半ば自動的に起こるものなら、脳に、その習性が不要であることを伝えるのが早道。具体的には、出てしまった習性一つひとつに、不快だ、不要だ、迷惑だなどあらゆる非難を浴びせることです。

一方で、習性の出てしまった自分を責めることはしません。むしろ目的に反する習性に気づき、不要であると表明できたことを喜んでおきます。親といえども人間、責めていては心がしぼみます。お試し下さい。

次回は「黙る喜び」。

 「東葛まいにち」2011年12月14日号掲載


                                                  

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カテゴリ: 思春期ブルー

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