No173 反抗



No173 反抗

「思春期は反抗期ではない」とずいぶん前に書いたことがありますが、未だに反抗期と信じている方々が多いので、改めて書いておきたいと思います。

児童心理の専門家の中には、子どもは反抗期を通して大人の心に成長してゆくと主張する方がおりますが、当外来では、思春期は自立期ではあるけれど、反抗期ではないと考えています。

なぜなら、子ども達を反抗期と呼ぶのは、実は親と先生だけで、他の大人達には概して評判がよいものだからです。親と先生に共通するのは上目線で子どもを抑圧する存在であること。自立心が芽生え、何でも自由に自分でやりたいという子どもを抑えつけるから反抗されるという理屈なのです。

また別の証拠は、子ども達は仲間同士とても仲良しだということ。けんかは別にして、子ども達同士が反抗しあうことなどほとんどありません。抑圧しない相手に反抗する必要などないからです。

「子どもの自由にさせておいたら何が起こるか分かりません」と、これまでの管理、支配欲を捨てきれない親や先生に求められるのは、上から目線の言葉や行動をしないことなのですが、欲望というのはいわば習性であり、気持ちで分かっても欲望を抑えることはなかなか難しいのです。

習性を変えるには、まず自分の言葉や行動の何が上から目線なのかに気付くことが大切です。また、上から目線は、所詮管理、支配したい我欲を守るための子どもへの依存行為に他ならない、と認識しておく必要があります。

子どもが自立してゆくのなら、親や先生も少しは子どもからの自立を試みてはどうか、というのが今回の提案です。

どうやって上から目線に気付けばよいのか。まずは子どもが反抗したときには、それはすべて上から目線の行為と考えます。また、自分の言葉や行動を振り返ってみて、目上の方に対しては決して使わない言葉や行動も上から目線の行為と考えることができます。

もちろん、気付いたら消すことですが、それには、消すべき言葉と行動を記憶しなくてはなりません。

次回は「質問」。

『東葛まいにち』2012年4月11日号掲載


                                                  

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カテゴリ: 思春期ブルー

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