No174 質問



No174 質問

親が〝信じる、黙る、聴く、すべて任せる(SDKS)〟を行っていると、子どもは明るくなり口数が増えてきますが、その分、質問や依頼が多くなるのも事実です。

好ましく答えて、あるいは応えてくれるようになった親の変化を感じての行動と理解することもできますが、もうひとつ理由があります。

それは、親の支配・管理姿勢の確認です。これまであれこれと指示、提案、忠告をしてきた親が、あまり干渉しなくなったことに対して、(まだ頼っていていいよね)と確認しているという訳。

もちろん、それに答え、応えていては、(ええ、頼っていていいわよ)と言っているようなもので、SDKSが目標とする子どもの自立環境を整えることとは当然ながら逆行するものです。そんな理由もあっての「黙る」なのです。

こうしたことは、受診者の親たちにも観察されることで、あれこれ質問の多い親たちの中には、問題の丸投げ先をクリニックに設定して、質問することで(もっと頼っていいですか?)と確認しているような方も結構います。

「困って質問していることに答えがなくては、子どもがますます迷うことになりませんか」

「子どもの質問に、親が答えを出そうなどと考えないことです。親の頭にあることは、大切と思えることほどすでに子どもに伝えてあり、今さら新たに伝えることなどほとんどないものです」

「それでも答えなくてはならないことはどうすればよいでしょうか」

「答えればよいでしょう。しかし、答えてしまった上は、振り返ってでも答えを点検し、上目線の答えであると気付いたら、それこそが子どもの自立を邪魔し、思春期病の回復を遅らせている言葉であると自認すべきです。目指すべきは、子どもを管理・支配しない親だからです」

「もし答えないことで子どもがいら立つような場合はどうしますか」

「謝ればよいこと。それでも絡んでくる場合は、親が、その場面以外のところで絡んだしゃべりをしていることを意味します。都合のよいところだけ黙ってみてもその効果は限定的でしょう」

次回は「失敗」。

「東葛まいにち」2012年5月9日号掲載


                                                  

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カテゴリ: 思春期ブルー

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