No.143 お金

No.143 お金

思春期病の子供に関して、お金にまつわる質問をしばしば受けます。
当思春期外来の治療方針である、親が〝信じる、黙る、聴く、すべて任せる(SDKS)〟を守って、子供のいいなりになっていたら、いくらお金があっても足りないというのです。

「お金の価値について、一度話しておきたいのですが」
「限度を越える分は、断ってもいいのでしょうか」

もちろん、子供は、お金の価値を知らないわけではありません。知っていながらお金を使わずにいられない、というのが本当のところで、思春期病の症状の一つと考えるべきなのです。

知っていながら使わずにいられない理由は、潜在意識という脳が、そう行動するように指令しているからです。

脳は、なぜそんな指令をするのでしょうか?

一般に、「心は鏡」といわれますが、鏡である理由は、潜在意識という脳が、相手から感じた感覚を、そのまま相手に感じさせるような行動を指令するものだから。

例えば、不快な態度の相手には、不快にさせる行動を、やさしい相手には、やさしく感じられる行動を、潜在意識は指令するのです。

そんなことを踏まえて、お金の問題を考えてみます。繰り返しお金を請求される親の気持ちはどうでしょうか?(いい加減にして)(どうしたらいいの)(しつこい)(いらいらする)あたりかと思いますが、子供の脳も、親に対して同じように感じているということなのです。

思春期病の子供に対する親の願い、要求は、それがどんなに正当なものであれ、子供の脳には、しつこく、煩わしいものと映るため、お金の問題を使ってその不快さを訴えている、とみることができます。

ですから、子供に対しSDKSを励行することは、お金問題の有効な対策となります。親の態度の(信じている)が、子供の潜在意識に映れば、潜在意識は、信じられるに値する行動を子供に指令するからです。

信じる自信がない場合は、多少の干渉もやむをえませんが、影響力の強い母親はかかわらないのが良策です。

次回は「母性について」。

                                                  

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