No.150 頼むこと
思春期病の迷路に迷った子どもに対して、親としてどう対応すべきか、誰しも悩むところです。
当思春期外来では、具体的な対応法として〝信じる、黙る、聴く、すべて任せる(SDKS)〟ことをお勧めしています。
不登校、無気力症候群、摂食障害、強迫性障害など思春期の迷路に共通するのは、心のエネルギーの消耗であり、SDKSは、心をふくらませる対策として有用だからです。
信じるとは、相手の価値観の正当性を認めることであり、認めるのであれば、こちらの価値観などしゃべる必要もなく(黙る)、相手の価値観に耳を傾ける姿勢が適切で(聴く)、相手の価値観に介入する必要もない(すべて任せる)という理屈です。
SDKSの軸は、信じることであり、相手の価値観が自分と相反するものであっても、相手にとっては正しいに違いない、と認める意識でいることがポイントです。相手の価値観を自分の中に取り込むことではありません。
「SDKSをするにあたって、子どもにものを頼んでもよいのでしょうか?」という質問をしばしば受けますが、上記のことをふまえて考えると次のようになります。
親がものを頼む時、例えば、ちょっとは外出して体を動かした方がいいとか、気分転換を図らせてあげたいとか、親の価値観が背景にある依頼は、SDKSから外れたものです。一方、本当に困って頼むことは問題ありませんし、時には、本人の方から進んで手助けしてくる場合もあると思います。
また、同じことを頼むにしても、親の頼む姿勢によっても違います。たとえば、「雨が降ったら、洗濯物取り込んでおくのよ」と「・・・取り込んでおいてね」の違い。ちょっとした言い回しの違いですが、前者は、親としての上から目線の言葉で×、後者は、同じか、下から目線の言葉なので○と考えます。
もちろん、世の常識を盾に、子どもが当然すべき、という姿勢で頼むことも×です。
要は、何を頼むにしても、親の我を入れないことが必須条件となります。
次回は「思い」。
「東葛まいにち」2010年4月14日号掲載
2010年04月14日 コメントは受け付けていません。 | トラックバックURL |
カテゴリ: 思春期ブルー
トラックバック&コメント
まだトラックバック、コメントがありません。
