No.151 思い
当思春期外来で、思春期病への具体的な対応法としてお勧めしている〝信じる、黙る、聴く、すべて任せる(SDKS)〟のうち軸となるのは〝信じる〟ですが、ぼんやり〝信じる〟と言われても、どうすることなのか今一歩はっきりしません。
当外来では〝信じる〟とは、「他者の価値観を、たとえ自分とは異なっていても、それはそれとして正しいと認めようとする思い」と定義しています。
はっきりと、「・・・正しいと認めること」とせずに、「・・と認めようとする思い」とした理由は、「認めること」としてしまうと、途端に実行困難なことになってしまうからです。
所詮は、我欲のかたまりである我々にできることには限界があり、思いをもつ程度が妥当なところでしょう。
思いをもつだけで効果が期待できるのか、という疑問も生まれますが、思い続けることができれば十分な効果を期待できます。 ただし、思い続けているといいながら、実は、思い続けている気分だけであることも珍しいことではありません。
実効のある〝思い続け〟を行うためには、自分の言動のすべてについて、思いからはずれたものがないかどうか点検し続ける必要があります。
言い方を変えるなら、思い続けるとは、自分の言動をいつも点検し、思いと異なる言動には〝間違っている〟というレッテルを貼り続ける作業と言えます。
(手助けをしてしまったが、子どもを認める行動とはいえない)
(ちょっとした提案をしたが、親の価値観の押しつけでしかなかった)
(子どもの行動をほめたが、所詮は親の価値観での評価に過ぎない)
こんな風に、自分の言動に〝間違っている〟レッテルをはり続けることは、頭の中にいつも〝信じる〟や〝認める〟思いがあって初めてできることです。
思い続けることが有効な理由は、本気で思い続けることは、そのまま相手の心に響くものだから。「心は鏡」のルール通り、(認めたい)という思いは、子どもに〝信じる〟思いとして伝わります。
次回は、「注意」
「東葛まいにち」2010年5月12日号掲載
2010年05月12日 コメントは受け付けていません。 | トラックバックURL |
カテゴリ: 思春期ブルー
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