中学校を不登校で過ごした幸さん―高校卒業目前で出来た「友だち」



中学校を不登校で過ごした幸さん―高校卒業目前で出来た「友だち」

幸さん18歳の誕生日会。インタビューに答えた。


《…わたし、小学校6年から不登校になって、ゆうびに通うようになったの。
ゆうびは、不登校経験者や現在不登校の人が何人もいる、ゆったりした時間の流れるやさしい雰囲気のところ。演劇、ダンス、バンドのボーカルなどにもチャレンジして、自分を表現できるようになりました。

…この調子なら高校にもいけるかも?
…でも、小学校の頃のような人間関係での痛手はもうこりごり…。
いろいろ考えて『友達をつくらない。人間関係は必要最小限に止める。勉強中心の生活。寂しくなったら、ゆうびで癒す』と決断。高校選びは慎重にしました。

思い浮かぶ条件を書き出して、線で結び構造化して、何日も迷い、定時制を選びました。入学の日から、強くもないけど弱くもない目立たないけど感じ取ってもらえる『わたしはひとりでいいですから』というオーラを出して登校したの。担任先生にも決意を伝え見守ってもらいました。勉強も少し頑張って3年間で卒業しました。

卒業間近のある日、クラスのひとりの女の子が近づいてきて「ちょっと話をしていいですか?」ひかえめに礼儀正しく言われたから、「どうぞ」と答えていたわたし。すると「わたし、あなたのことが3年間ずっと気になっていました。魅力的でこんな人と友達になりたいなぁと思っていたの。発言や態度にも共感できたし…。このまま卒業してしまったらこれで終わりになっちゃう。もったいないなぁって思って…。これからお友達になりたい」って言ったんです。

わたし、どぎまぎするやら、うれしいやら。そんなふうに3年間もわたしのことを見てくれていたんだ…、心があつくなって…入学のときの決意を伝え、何かゴメンナサイと言いたい気持ちも湧いてきて「うれしいです。友達になって」…ほおが赤くなっていたかも知れない…。進学を決めた今、これからは、ありのままの自分で居ようと思えた瞬間です。》

拍手。

幸さんは、地味な高校生活を続けた。けれど、級友の言葉で青春時代がライトアップされた。さなぎの皮がパチッと割れて蝶になる。

「東葛まいにち」2010年6月9日号掲載

                                                  

2010年06月09日 コメントは受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: 子どもの広場

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