「不登校のステージ」を自分史に明記したい~童話を書くことに燃える夕美さん



「不登校のステージ」を自分史に明記したい~童話を書くことに燃える夕美さん

夕美さんは小6の2学期から不登校。不登校の理由は分からない。登下校する子どもたちの声や学校のチャイムの音が聞こえてくるのが辛いのか、じきに、昼夜逆転の生活がはじまった。

夜起きてしていることは、ラジオに耳を傾けくすくす笑いながら童話の構想を練ること。猫が気球に乗って旅をする話だったり、図書館でフクロウが結婚式をあげる話だったり…。頭の中にはファンタジーがいっぱいだ。

中1の頃になると、同じように童話を書いている人たちと出会いたいと思うようになる。けれど、そのようなサークルはなかなか見つからない。
中2のある日、新聞でN市に大人向けの創作童話のサークルがあることを知る。「よし!電話をしてみよう!」と思う。思うがなかなか勇気がでない。
不登校を何と説明したらいいのか…。一昼夜かけて電話のシナリオをつくった。
受話器を持って、かけようとするが何度もためらった。「でもこれは行ったらいいよ、というシグナルなんだから」と自分に言い聞かせ、電話をならした。
出てくれたのは優しげな声の年配に女性。ホッとする。

サークルで自己紹介をすると、大人の方たちは「よくきてくれたわね」と笑顔で迎えてくださった。

「不登校なら好きなだけ童話が書けるね!素敵!」
「わたしも学校へ行かないで童話書いていればよかった!残念ウフフ」
「今のうちから書いていれば作家になれるわよ」

どの言葉も、温かくユーモアにあふれていた。その後、夕美さんの作品は、サークルの同人誌や地方紙に発表されるようになった。夕美さんは「不登校を特別視しないで、親愛のまなざしを向けてくださった大人の方々に感謝しています。うれしかったです」と。

不登校経験者の中には、不登校の期間を自分の人生から抹消してしまいたいという方もいる。汚点のように思ってしまったり、辛く過酷な思い出としたりしてしまうのはもったいない。

すべての不登校生が夕美さんのように、不登校を楽しみ充実した人生のステージだったとして自分史に刻み込めるように過ごして欲しい。

「東葛まいにち」2009年11月11日号掲載


                                                  

2009年11月11日 「不登校のステージ」を自分史に明記したい~童話を書くことに燃える夕美さん はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: 子どもの広場

トラックバック&コメント

まだトラックバック、コメントがありません。