発達障害と共に生きる~当人が心地良い環境を用意する~



発達障害と共に生きる~当人が心地良い環境を用意する~

【事例1】
転校してきた自閉性が強く知的障害もある勘君(9)は、教室のゴミ箱にオシッコをしてしまう。「オシッコしたい!」とぴょんぴょん跳ねながら「さあ!勘君、トイレに行ってオシッコしよう」と誘い、並んで用をたすなどして身に付けさせるのに1学期間を要した。ところが1年を経て家庭の事情で元の学校へ帰ったら、また、ゴミ箱に小便をするという。

【事例2】
やはり転校してきた自閉症で多動な景さん(8)は、3学期には、隣の席の子が描く花の絵を真似て描くまでになったが、特別支援学校に転校したら同じ学級の子が水たまりの泥水を飲むのを見て、景さんも泥水を飲んだという。二つの事例から一見定着したかに見える学習が定着していなかったと捉えたい。

自閉症の子の心を推測すると、非社会的な動きをしている時、その行為を直接禁止、あるいは修正しようとすることは、本人に無理強いするだけで、二次障害の可能性も否定できない。
むしろ、支援者が物的人的環境を本人が快く居られる状態にすることが肝要ではないか。

【1】では、ゴミ箱を高い位置に配置し、決まった時間にトイレでの排尿を促す。

【2】では、生活時間のリズムを整え、泥水を飲む子の活動の改善を当面の指導とするなど。

「真似る」ことは「学習する」ことの基本でもある。それができることは自閉性を改善することに結びつく。本人に直接アタックするのを控えて、周りを整えることを入念にしたい。

自閉症のある宗君は、チャイムが鳴るとみんなが自分の席に着くのを見て、自分も着席する。
「皆さん国語の本を出して12ページを開けましょう」の先生の言葉で一斉にみんなが本を出し開く。
宗君は一拍遅れて同じように行動する。

先生の言葉が理解できたのではない、先生の出す音と続いて起きるみんなのそろった動きを見て宗君は真似ただけ。
周りの声と動きが単純化され明解であることが宗君には快い。

「私の子は、特別支援学級より通常学級に居る時の方が落ちついている」という母親の話が頷ける。

9月8日の教育シンポ・石川憲彦先生(児童精神科・小児科医)の講演『発達障害と共に生きる』にご参加ください。


                                                  

2013年07月30日 発達障害と共に生きる~当人が心地良い環境を用意する~ はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: 子どもの広場

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