No.162 発達障害のある子と共に育つ-心の赴くところを推測すること



No.162 発達障害のある子と共に育つ-心の赴くところを推測すること

春の遠足はアンデルセン公園。
自閉症(PDD)のある佳さん16女子も参加。瞳を一瞬も止めることなく動かし走り回る。言葉は少ない。
中学校の特別支援学級で発達障害のある子の支援をするKさんがマンツーマンで付き添う。

初対面の2人だったが、佳さんの母の「Kさんについていくのよ」の言葉に素直に「はい」と言う佳さん。

◆電車の中でKさんはしおりを見せて、次に降りる駅を伝える。佳さんは駅名を一生懸命目で追ってどこで降りるかを確認していた。公園についてからもKさんはアンデルセン公園の地図を見せて、絵と言葉でどこになにがあるかを佳さんに伝えた。
「佳さんには分からないだろう」ではなく丁寧に伝え、佳さんもそれを理解している。

◆売店でアイスを買う。ゴミ箱を指差し「ゴミはゴミ箱に捨てます」とKさん。集合場所に向かいながら食べ、食べ終わったと思った時、佳さんはダーッと元来た売店の方へ走っていく。Kさんはおや?と考えて、ああ!ゴミを捨てに行きたいのだなと思い当たる。

そこで「ゴミ箱はここにもあります」と声をかけると、佳さんは別のゴミ箱に捨て集合場所に戻った。他動である、などの先入観を持たず、(どうしてだろう?)とその子に寄り添うKさんの対応は見事である。

◆買い物が好きな佳さん。いろいろな食べ物を手に取り、買おうとする。

Kさんは迷った末、佳さんが手にとるおやつを「どっちにしますか?」と聞いた。
手にとるたびに「どっちにしますか?」と聞き、買う物を一つだけにさせた。

完全な禁止・制止ではなく、「…一つだけに」と選択をさせている。

◆帰り時刻30分前の頃になって、佳さんは案内のしおりをKさんに見せ『…行く!』と指差す。

が『時間が無いの。今度来た時にしましょう』と言うと『今度来た時にしましょう』と繰り返し、帰り支度を始める。
パニックにもなり得る場面である。

これは日常での母親の明解な言葉掛けと、それができた時の適切な賞賛が、佳さんに基本的な生活習慣を育てている。

「東葛まいにち」2009年6月10日号掲載


                                                  

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