No.158 「宿題してない、学校に行けない」と言う子



No.158 「宿題してない、学校に行けない」と言う子

「彩(わたし)、9時に寝て、朝起きてから時間割を揃え、宿題の音読をすることにしているのね。

でも、9時から見たいテレビがあると寝るのが遅くなるのね。朝6時20分に起こしてもらうんだけど、寒くて寝床から出られないのね。音読が出来ないよう~、用意が出来ないよう~って思いながらも寒いから起きられないのね。やっと起きて朝ご飯を食べるの。彩は食べるの遅いのね。今度は、こたつから出られないの。もう、学校に行く時間になっちゃうでしょ。学校に行けば先生に友達の前で叱られて恥ずかしいし。もうどうしていいか分からないから、学校休む!って騒いじゃうの」

『そんな時は、宿題しないで行っちゃえば?』

「そんなことは出来ないでしょ。だって、みんなの前で先生に叱られちゃうでしょ」

『じゃ〈音読しました〉ってお母さんに嘘のサインをしてもらって学校に行ったら…』

「そんなことしていいの!ダメでしょ。先生をだますなんて。それにみんなの前で読まされればすぐ分かってしまうでしょ、上手に読めないんだもの。それに自分もお利口になれないでしょ…」


彩ちゃん(小3)は大粒の涙を落としながら訴える。これをいまどきの子の甘え・わがままとみるのは「大人の都合」ではないだろうか。

彼女にとって、就寝と起床から登校までの間に起こるテレビ・起きられない・宿題…など一連の「活動要素」は自分の力量を超えた事柄で、しかも取捨出来ない大切なもの。これらをどう整理したらいいのか思案にくれる。彼女同様日常の平凡にみえる様々な活動要素に翻弄され悩みを抱える子どもが今増えている。それにしても「先生を騙すなんて出来ない」がいじらしく可愛い。

ふと、遠い昔、担任先生をだました子=ボクの経験談を聞かせたくなって持ち掛けたら「彩、ずるいこと知ったら、まねしたくなっちゃうと困るから聞きたくない」と席を立ってしまった。

それでも次回「先生をだました子」の忘れられない話をさせて頂く。今を生きる子供たちに、「いい加減さ」も少しずつ覚えさせたい。

 「東葛まいにち」2009年2月11日号掲載


                                                  

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