発達障害のある子と不登校生の結びつき方 人と人とが親交を深めていく原型を見る



発達障害のある子と不登校生の結びつき方 人と人とが親交を深めていく原型を見る

重い自閉症のある映さん(10歳)は、①登園すると真っ先にプールへ。プールには入らず服のままたらいの中に座り「あたま!」(頭から水をかけて)と要求する。

長い髪をしたたり落ちる雫を炎天下の中あきずに見ている。折り紙やチラシをはさみで切るのも大好き。食事の時間がなかなか始まらないことに怒り、奇声をあげたりリーダーをつねったり。

★学園生(不登校生)達は、行為・行動があまりに個性的なのでチラチラとリーダーと映さんの動きを遠巻きに見ている。②古紙の中から気に入った紙を出し器用な手つきで裂いていく。裂かれた紙の山ができる。

★中学生がやってきて「これってなんのためにやるんだろう…」。リーダーは「う~ん、でもやってみると案外楽しいかも」。ビリビリと破れる感触が心地良い。「あ~、はまるかも」と。紙を裂く映さんの傍らに学園生が寄るようになった。③紙裂きにあきると大好きなトランポリンへ。「ぴょんぴょんぴょん」と一緒に飛ぼうとリーダーの手を引く。一緒にジャンプすると「キャッキャ」とうれしそう。

★リーダーを真似て代わりに一緒にジャンプする子、その姿をほほ笑ましく眺める子、「映さんに僕の名前を覚えてもらうぞ!」と張り切る子…。映さんの言語表現は少ないが要求はよく伝わる。学園生の誘いも自然体になっていく。映さんもそれに呼応して近付いてゆく事が増える。④入園から半年経ったいま、映さんのお気に入りは「だっこ」。

★中学生やリーダーにお姫さまだっこをされてぐるぐると回る。最高の笑顔、喜びの絶叫。映さんと「遊んであげている」のではない。両者は対等に楽しんでいる。⑤「ゆうびフェス」での学園生オリジナル演劇は最終日の大トリ。緊迫した演技を繰り広げる舞台上に、映さんが飛び上がってしまった。あわや。

★しかし、中学生達は平気で演技を続ける。鮮やかな照明にうれしそうな声を上げる映さん。温かな空気に包まれるまま劇は進行していった。
①★~②★では、個性の違いがどんなに大きかろうと変わることのない「人と人が結びついていく原型」を見ることができるように思う。

『東葛まいにち』3月14日号掲載


                                                  

2012年03月13日 発達障害のある子と不登校生の結びつき方 人と人とが親交を深めていく原型を見る はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: 子どもの広場

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