「突き付けられた現実」から中川創は何を見た



「突き付けられた現実」から中川創は何を見た

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 長い足を精一杯に伸ばして、ボールに反応。相手のカウンターアタックからの攻撃を終わらせたつもりだった。
 ボールは高く上がり、レイソルはピンチを脱したかのように映った。だが、ボールは無情にも再び相手選手の足下へ。そして数秒後、レイソルのゴールネットを揺らした。

 ルヴァン杯準々決勝・ヴァンフォーレ甲府(J2)とのアウェーでの第1戦。中川創選手はプロキャリア初の失点シーンを回想し、唇を少し噛んだ。

 「自分がもっとちゃんとした形でクリアできてさえいれば、あの失点はなかったと思います」

 試合の立ち上がりは、守備や集中の破綻もなく、丁寧なボール捌きも及第点の出来を見せた。しかし、後半に2失点。レイソルも貴重なアウェーゴール2つを奪いドローに持ち込み、第2戦へ望みを繋げたものの、中川創選手にとっては少々ほろ苦いデビュー戦となった。

 中川選手は、「デビュー戦がこんなに自分にとってプラスになるとは思っていませんでした。満足はできませんが、すごく前向きにこの試合を振り返れることはとても良いこと」と次を見据えた。

 続く第2戦。守備はもちろん攻撃面でも様々な仕事を要求される「レイソルのCB」としてアカデミーで育ち、ここまで歩んできた中川選手は憧れの日立台でスタメン出場。1‐1のドローに終わりキャリア初勝利とはいかなかったが、甲府でのアウェーゴールにより「ルヴァン杯準決勝進出」という目に見える結果に繋がった。中川選手も、自身の行き先を明るく照らさんとする光源を微かに捕らえようとしていた。

 ルヴァン杯での好感触そのままにJ1リーグ第26節清水エスパルス戦にもスタメン起用された中川選手。だが微かな光は清水に容赦なく遮られ、3ゴールを喫して敗れた。

 「…驚きでした。清水戦では今の自分に『足りない部分』を突き付けられました。全てが敵わなかったわけではないのかもしれないですけど、できないことが多過ぎました」

 肩を落とす中川選手にはある思いが芽生えていた。
 「今の自分には『自立』が求められているのだと思う。自立した選手にならなくてはこの先は見えてこない。『プレー中に生まれるいかなる問題も、解決できるのは自分次第なんだ』と痛感しています。この経験を引きずることなくできるだけポジティヴなものにしたいです」

 降格圏に足を踏み入れたチームの状況は、必ずしも成長に適しているとは言い難いかもしれないが、そんな思いは今の中川選手には無用なようだ。

 「チーム内に下を向く選手などいませんし、レイソルはアジアや世界を目指して戦うクラブ。自分はアカデミー時代からその戦いを見てきて憧れてきた。自分もその役割を担いたいですし、チームの力になるために成長を続けたい。このクラブに恩返ししなくてはいけないですから」

 自立し、クラブの力になるために。中川創選手の光を探す戦いは続く。 (写真・文=神宮克典)


                                                  

2018年09月26日 「突き付けられた現実」から中川創は何を見た はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: がんばれ!柏レイソル 柏レイソル

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